はじめに

頭痛のイメージ画像

『八重洲痛みの診療室』は平成16年6月をもって、都市再開発に伴うビル取り壊しのために、残念ながら閉院になりました。
現在は本拠地である名古屋で『寺本神経内科クリニック』にて診療を続けています。

治療の主体は、東京と同様に『ボツリヌス治療』です。商品名であるボトックスはしわ延ばしで有名ですが、商品名であるところから正式に『ボツリヌス治療』と表明しています。

ボツリヌスの特徴は、筋弛緩、分泌の抑制、痛みの軽減、など広い範囲に応用が可能で、世界ではすでに30年以上にわたって使用される薬剤で、こまかな副作用がみられることもありますが、長引くような副作用がないことが、長年の国際的な経験から証明されています。

対象となる症状や疾患は多いのですが、日本では保険制度の関係上、かなり限られた疾患(片側顔面けいれん、両側性眼瞼けいれん、痙性斜頸、脳梗塞などによる痙縮、原発性腋窩多汗症など)以外には保険での使用が認められていません。

しかし、非保険(自由)診療によって対応することができますが、まだ国内では対応している施設は、希有です。ボトックスは、保険用のものと非保険用のものが発売されています。いずれもアラガン社製で、同一製剤でラベルのみ別の対応になっています。
制度、流通経路などが異なるところから、両者に価格差があり、100%負担の自由診療でも、30%負担の保険診療と比較して3倍までにはなりません。
なお非保険用のボトックスも当局が国内販売を認めているものです。寺本神経内科クリニックでは、個人輸入などで入手できる価格が約1/10の東アジア系の国で作製されるコピー商品は扱っておりません。

本ホームページで、さまざまな症状や疾患に対して効用などを紹介しますから、経済面を含めて、それらの治療に関心を持たれる方は、受診してください。

なお、東京での再開の可能性について検討を始めています。現実問題として、運営上の経費が必要になるところから、需要などを調査していく必要もありますので、当面、関東方面からの受診状況も観察していくつもりです。

この記事を書いた人

寺本 純

1950年生まれ、名古屋大学医学部卒。しびれ、めまい、頭痛など外来の神経疾患を得意とする。著書『臨床頭痛学』(診断と治療社)は国内初の医学専門書で頭痛専門医の必携書となっている。片頭痛、郡発頭痛、肩こりの目立つ緊張型頭痛へのボツリヌス治療を国内最初に実施し、その治療成果を多くの学会、文献で報告している。さらにボツリヌスが末梢神経に作用する点に着目し、肩関節周囲炎や膝関節炎、花粉症にも国内で初めて応用し、優れた成績を医学報告している。現在は名古屋の寺本神経内科でボツリヌス治療を行っている。