アレルギー性鼻炎のうち、特定時期に花粉によって生じるものを花粉症と言います。鼻の中の下鼻甲介から粘液が分泌されます。この粘液分泌をボツリヌスで減らすことが出来ます。下鼻甲介内の自律神経に作用し、結果的に分泌組織の活動を抑制するからです。
外国では、下鼻甲介の粘膜内に直接注射することによって、5カ月以上分泌を防ぐことができるとの医学論文が示されています。
寺本神経内科クリニックでは注射ではなく、鼻腔へ滴下1)しています、粘膜表面からしみこむことによって効果を発揮します。効果は1週間くらい続き、うまくいくと2週間ほどもちます。刺激がないことと、直ぐに効果が現れるのが特徴です。
花粉症の最悪時期には個人差があることからその時期の1週間くらい有効ならば満足という人にはお勧めです。特に翌日に試験やプレゼンがある、といった人には最適です。
粘膜へ直接注射することに比較すると劣りますが、注射を採用していない根拠のひとつとして、この注射法の報告は、先進国から出た論文でないことも考慮しているからです。
〔文献〕
1)寺本純:アレルギー性鼻炎に対するA型ボツリヌス毒素投与による改善効果 新薬と臨床 59;2168-2172 2010